突発性難聴の看護
●突発性難聴とは
それまで耳の病気をしたことがない人が明らかな原因が無いにも関わらず突然耳が聞こえなくなる病気。原因は不明であるが、ウィルス感染説、循環障害説などが言われている。
●症状
難聴、耳閉感、耳鳴り、めまい
●予後
1/3が完治し、1/3が回復しても難聴が残り。1/3は治らずに終わると言われている。
発症後1週間以内に治療すると改善する確率が上昇する。発症して一か月で聴力が固定してしまうため、早期発見、早期治療が大切。
●治療法
ステロイド投与が一般的だが循環改善薬、ビタミン剤などの投与も行われることがある。休息をとることも大切。高圧酸素療法、物理療法を行うこともある。
ステロイドの副作用が出た場合、医師に報告しステロイドの減量を実施する必要がある。
(ステロイド投与により内耳の炎症を強く抑えて症状を改善する。)
(ビタミンB12を投与し神経の損傷を修復する。)
以下メモ
●LV療法(ラシックス・ビタミン療法)
・突発性難聴の時に行われる。ラシックス等のループ利尿薬、代謝賦活剤、ステロイドなどを併用して投与する治療法。ループ利尿薬が血管条の機能を一過性に変化させ薬液の内耳液内移動を促進する。
・浮腫で体重増加する場合があるので毎日体重測定したりする
・副作用に留意、血圧上昇・低下、高血糖、精神症状、浮腫等がある
●トリノシン
ATP製剤、血管拡張作用により血流を改善する。浮腫、めまい、耳鳴りなどに使用する。
前床突起部髄膜腫
●前床突起とは
蝶形骨小翼緑の内側端に位置し、視神経管の外側を形成している。
視神経や内頚動脈など重要な構造物を含んでおり、障害されると視野障書害などがでる
●蝶形骨とは
頭蓋底中央部、鼻腔の後上方にある骨。チョウが羽を広げたような形をしており、その奥に下垂体がある
●髄膜腫とは
脳を覆っている髄膜から発生する腫瘍。脳腫瘍のなかで最も頻度が高い。脳を外側から圧迫するように緩やかに発育する。髄膜腫の9 割が良性腫瘍で、全摘出ができれば治癒も期待できる。
●髄膜腫の症状
腫鳩が小さいと無症状のことが多い。脳局所症状がでてくる(麻痺、脳神経圧迫症状、けいれんなど)
●髄膜腫の治療
脳腫腫瘍摘出術。残存した場合、定位放射線照射を行い、 再発を防ぐ。
腫瘍血管塞栓術を行ってから手術を行うこともある。
●術後の看護のポイント
・バイタルサイン、神経学的兆候の観察
・手術創の状態、ドレーン
・術後合併症に留意。
後出血(24時間以内に多い)
脳浮腫(24~48 時間後)
けいれん、感染、髓液漏、消化管出血など
糖尿病性ケトアシドーシス の看護
●糖尿病性ケトアシドーシスとは
糖尿病の高血糖性の代謝失調。
インスリンが不足すると、血中の糖を代謝できなくなり、高血糖となる。すると体は代わりに脂肪を分解しエネルギーをつくる。このとき副産物としてケトン体ができる(ケトン血症)そのため血液が酸性となり(ケトアシドーシス)体に異常が出る。インスリンの絶対欠乏によって生じ、I型糖尿病に多い。
●症状
・前駆症状:激しい口渇、多飲、 多尿、 体重減少、 強い倦怠感、悪心、咽吐、腹痛
・症状:脱水、呼気アセトン臭(甘酸っぱい臭い)、過呼吸、クスマウル呼吸、血圧低下、 頻脈、神経所見がはっきりしない
●検査結果。
・血糖上昇:250~1000mg/dl
・尿中ケトン体強陽性
・血ガスPH7.3未満
・Na の軽度低下、 BUN上昇
●治療。
・脱水なので、 生理食塩水を利用した十分な補液。
・インスリンの欠乏→インスリン投与。
・脳浮腫のリスクあり→神経症状の観察
(急な浸透圧の低下は脳浮腫のリスクがあるため)