看護勉強ノート

新人看護師の勉強まとめ

痛風の看護

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痛風とは

体内に尿酸がたまり、それが結晶となって激しい関節炎を伴う症状となる病気。

関節炎は突然起こるため痛風発作と呼ばれることもある。

 

 

痛風の機序

プリンタ体が代謝されると最終的に尿酸という物質になる。

様々な理由で血液中の尿酸の濃度が高い状態が持続すると関節の中で尿酸が固まる。

固まった尿酸が関節の骨と骨の間(関節腔)に落下すると白血球が攻撃し、関節炎となる。

尿酸値が7.0mg/dL以上の状態を高尿酸血症と呼ばれる。

 

痛風の症状

暴飲暴食した翌朝などに急に足の母指の付け根が赤く腫れ痛みが生じる。

足の母指以外に足関節、足の甲、アキレス腱の付け根、膝関節、手関節にも激痛発作が起こることがある。耳介に痛風結石や尿路結石ができることもある。

 

たいていの場合、1週間から10日程度すると症状は治まる。

しかし多くが1年以内に同様の発作が起こり、繰り返され、次第に間隔が短くなり、重症の慢性痛風になる可能性がある。

 

痛風の治療

 

痛風の治療は痛風関節炎の治療と、その背景にある高尿酸血症の治療の2つに大別される。

痛風関節炎の治療

 炎症を消退させることが目的

原則的に非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs。ナイキサン等)を用い、関節炎が消失したら投与を中止する。

腎機能障害や胃潰瘍などの消化管症状がありNSAIDsが使用できない場合はステロイド剤を用いる。

 コルヒチンは痛風発作の予兆期に1錠を服用し発作を頓挫させるために用いる。

 

 

高尿酸血症の治療

 尿酸降下薬による薬物療法や生活習慣の改善。

尿酸降下薬には尿酸排泄促進薬と生成抑制薬がある。

尿酸排泄促進薬→製品名ユリノーム、ベネシッド等

尿酸生成抑制薬→ザイロリック、アロプリノーム、フェブリク等

治療目標は血清尿酸値6.0mg/dL以下

 

 生活習慣の改善は肥満の防止、改善のため適正なエネルギー量を摂取することに加え、アルコール類・果糖・プリン体のとりすぎに注意する。

尿酸は腎臓から尿中へ排泄たれるため、水分を多量に摂取し1日尿量を2リットル以上にすることが勧められる。

過度の運動(無酸素運動)は血清尿酸値を上昇させるため、個人の運動能力、過度の筋力強化運動や瞬発力を要する運動は高尿酸血症の予防という観点からは好ましくない。

 

その他に、痛風患者は酸性尿を呈することが多く、酸性尿(尿pH6.0未満)は尿中での尿酸の結晶化を促進され、尿路結石や腎機能障害発症のリスクがある。尿酸排泄薬を内服する場合は尿をアルカリ化する薬剤であるウラリットを併用する。

 

 

痛風の看護

痛風発作が生じているときは患部を安静にして冷却する。

服薬管理や食事、運動指導を行うことが大切となる。