CO2ナルコーシス
CO2ナルコーシスとは
呼吸の自動調節能が破綻し、CO2が体内に貯留することで意識障害が出現する病態の総称。
CO2ナルコーシスの機序
通常は体内のCO2によるpHの変化が主な呼吸刺激となっていなる。
COPDなど慢性的にCO2が貯留している状態だと、CO2貯留に慣れが生じて刺激が低下しており、代わりに低O2血症が呼吸刺激になっている。
このような患者に不用意に酸素投与をすると…
低酸素血症による呼吸刺激がなくなり、CO2による呼吸刺激も低下しているため著しい呼吸抑制となる。
蓄積したCO2が中枢神経系に作用して意識障害となる。(CO2は麻酔作用があるため)
そして昏睡状態となり、死亡するリスクもある。
高二酸化炭素血症の症状
頭痛、体温上昇、発汗、意識レベルの低下、痙攣、傾眠、昏睡
(二酸化炭素の血管拡張作用で頭痛が生じる。
さらに、血管拡張作用により頭蓋内圧が亢進し意識レベルが低下する)
CO2ナルコーシスの3徴
①重症呼吸性アシドーシス、②意識障害、③自発呼吸の減弱
CO2ナルコーシスの対応
最大の問題は意識障害と呼吸抑制。
意識障害により、いびき呼吸等になり気道の開通が維持できなくなると気管内挿管が必要となる。
呼吸抑制に対しては呼吸補助を行う。気管内挿管されていれば、人工呼吸器を接続する。
気管内挿管されていなければ、NPPVを行う。