看護勉強ノート

新人看護師の勉強まとめ

球麻痺と偽性球麻痺とは

脳卒中により起こる嚥下障害について

 

球麻痺

延髄の運動核の障害による麻痺のこと。球は延髄の慣用語である。

舌、咽頭、口蓋、喉頭などの筋の運動を支配する脳神経核がある(左右)。

そのため、延髄の障害によりしばしば咀嚼、嚥下、さらに構音の障害をきたし、完全な球麻痺では嚥下反射が全く見られない場合がある。

球麻痺をきたす代表的な脳卒中にはワレンベルグ症候群がある。

 

仮性球麻痺(両側性大脳病変)

球麻痺と仮球性麻痺の違いは、病巣が違うこと。

球麻痺と症状が似ているが、病巣が違うため仮性球麻痺と呼ばれる。

延髄よりも上位に両側の病変がある場合(2回以上の脳出血の発症や多発性脳梗塞など)などにみられ、嚥下障害が現れる。

しかし脳神経核の障害はないため嚥下反射が保たれている可能性がある。核上球麻痺や偽球性麻痺と呼ばれることもある。

 

一側性大脳病変による嚥下障害

延髄より上位の片側に病変がある一側性大脳病変では、秒速と反対側の摂食嚥下に関わる感覚、運動に障害が現れるが、健側が病側の機能を代償する働きがあり、嚥下反射も保たれていることから嚥下障害の予後が良いとされている。

一側性の脳血管障害は急性期には30~50%の患者に嚥下障害があり、慢性期まで遷延するのは10%以下であるという報告がある。